血液検査の検査項目ご説明
肝機能等
「AST」「ALT」「LDH」は肝臓などの細胞に多く含まれる酵素で、肝臓が障害を受けると高値となります。「γーGT」はたんぱく質を分解する酵素の一種で、アルコール性肝障害に対して過敏に反応します。
「ALP」は、からだのあらゆる臓器や細胞の中に含まれている酵素の一種で、おもに肝臓や腎臓、小腸の病気を知る手がかりとなります。「コリンエステラーゼ」は、肝臓でつくられる酵素で、肝臓の障害があるとこの酵素を作る能力が低下します。
「総蛋白」は、生命活動のためにたえず消費されます。低下は栄養障害などが疑われます。
脂質
「総コレステロール」は脂質の一種で、動脈硬化を予防するための重要な目安となります。
「中性脂肪」も脂肪のひとつで、体脂肪の95％を占めています。エネルギー源として活用され、不使用のものは皮下脂肪となり体内の保温や保護として一役買っています。
「HDLコレステロール」は、いわゆる善玉コレステロールで血管壁にこびりついたコレステロールを、こそぎ落とすようにして肝臓へ運ぶ働きがあり、動脈硬化の抑制につながります。
「LDLコレステロール」は、いわゆる悪玉コレステロールで、肝臓から末梢組織ヘコレステロールを運び、動脈硬化を進行させます。
糖・代謝
糖尿病などになるとインスリンが不足したり作用が低下するため「血糖値」が上昇したり「尿糖」が陽性になったりします。「血糖値」や「尿糖」は検査の時点での状態を表しますが、「ヘモグロビンA1c」は赤血球中のヘモグロビンの中でブドウ糖と結びついたグリコヘモグロビンの割合を調べる検査であるため、過去1～2ケ月の糖のコントロール状態を知ることができます。
膵臓機能
「アミラーゼ」は、膵液に含まれる消化酵素の一つで、膵臓に障害があると高値となります。
腎機能
腎機能が低下すると、本来尿中に捨てられるべき「尿素窒素」や「クレアチニン」などの老廃物が血液中に多く溜まるようになります。
痛風
「尿酸値」は、痛風疾患で上昇します。また腎機能障害などの診断にも役立ちます。
貧血・白血病・炎症等
「赤血球」は、血液の主成分で、「血色素」は、赤血球に含まれる色素たんぱくです。
「ヘマトクリット」は、血液中の容積のことで、赤血球・血色素量とあわせて貧血などを判断するのに役立ちます。「血小板」は、出血したとき血液を止める働きをします。「白血球」は、細菌などの異物進入に対してその数を増やし、細菌を食べて無菌化するよう働きます。白血球は、「好中球」・「リンパ球」・「単球」・「好酸球」・「好塩基球」等があり、好酸球はアレルギーに関係しているといわれ、単球・リンパ球は免疫に関係しているといわれます。「CRP」は感染、組織障害、免疫反応障害などにより急に血液中に増えるたんぱく質です。
感染症等
「RF（リウマチ）」は、筋肉や関節が痛くなるリウマチ疾患診断のための代表的な検査です。「肝炎ウィルス検査（HBｓ抗原、HCV検査）」は、B 型肝炎ウィルス・C型肝炎ウィルスに感染しているかを把握する検査です。また、B 型肝炎・C型肝炎は、ウィルスの感染が原因で起こり、慢性肝炎を発症する原因になります。感染してても症状が出ない人が多いようですが、治療しないでいると肝硬変や肝がんになる可能性があります。
腫瘍マーカー
がんができると健常時では見られない特殊なたんぱく質や酵素、ホルモンなどが血液中に増加します。腫瘍マーカー検査はこれらの物質を検査し、がんの経過や再発の確認などを行う検査です。※腫瘍マーカー検査はがんの可能性を検査しますが確定診断にはなりません。
「CEA」は胃、肺、大腸がん等、喫煙でも上昇します。「AFP」は肝臓がん、「CA19-9」は膵臓・胆のうがん等、「エラスターゼ」は膵臓がん、「PSA」は前立腺がん、「CA-125」は子宮・卵巣がんの腫瘍マーカーです。
